Kind mit Mond im Bett

発売から30年以上経過しているにもかかわらず、いまだに社会心理学のバイブルとして、不動の地位を維持し続ける、名著「影響力の武器」。

しかし、詳しい内容を知らない方も少なくありません。そこで今回は、影響力の武器の概要について、分かりやすく解説していきたいと思います。

 

 

 

「影響力の武器」とは何か

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「影響力の武器(influence)」とは、 ロバート・チャルディーニという社会心理学者が書いた、非常に有名な書籍のタイトルです。書籍執筆の為、チャルディーに自身が3年の歳月を「潜入捜査」に費やし、宗教団体・慈善組織・セールスマンといった「説得のプロ」のスキルを研究しました。そして、数々の説得の現場で見られたテクニックや心理的な効果を分析し、1冊の本に仕上げたのです。

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この書籍自体は、数十か国の言語に翻訳され出版されただけでなく、発表から30年以上たった今でも、世界中で社会心理の基礎として読み継がれています。 「その内容がいかに普遍的なものであるか」が分かりますね。

また、「影響力の武器」という言葉は、「人間が何かを決断する時に、無意識に拠り所にしてしまう要因」を指す心理学の用語にもなりました。自分一人で何かを判断しようと思っても、選択肢が多すぎたり、その分野に対する知識がない時に、無意識のうちに影響力の武器を利用し、決断を下してしまうのです。

そして、その影響力の武器とは、以下の6つを指します。

  1. 返報性(reciprocation)
  2. コミットメントと一貫性(commitment/consistency)
  3. 社会的証明(comparison)
  4. 権威(authority)
  5. 好意(liking)
  6. 希少性(scarcity)

頭文字を取って、CLARCCS(モデル)などと呼ばれることもあるようですが、少なくとも日本では「影響力の武器」という名称の方が一般的ですね。

では、具体的には、それぞれの影響力の武器は、どのようなものなのでしょうか??

 

1.返報性(reciprocation)

返報性とは、相手に何かをしてもらった場合に、 無意識に相手にお返しをしたくなるという心理作用の事です。

  • ジュースを奢ってくれた
  • 仕事を手伝ってくれた
  • 笑顔で話しかけてくれた
  • ねぎらいの言葉をかけてくれた

といったように、相手から「何かを受け取った」と感じると、その相手に対して何かをしてあげたくなるのです。

2.コミットメントと一貫性(commitment/consistency)

コミットメントと一貫性とは、「自分が言ったこと・したことに関しては、一貫した態度で行動したい」という性質の事です。

ある実験では、「自分は、ボランティアなどの慈善活動に積極的ですか?」と質問され、「YES」と回答した集団は、募金率や募金額が平均に比して大幅にアップするという事が確認されています。

これは、自分が一度表明した発言に対して、それに矛盾しないような、一貫した態度と行為を取らざるを得なくなったことが原因とされています。

3.社会的証明(comparison)

社会的証明とは、世間一般の大多数が行っている行動に合わせ、自分の行動も決定するという心理的作用を指します。 口コミでのレビューを参考にして、「多くの人がAという商品を購入しているのだから、きっと他の商品よりも良い商品に違いない」と判断するのも、社会的証明の影響を受けているという事なのです。

他にも、バーゲンセールで他の人が一心不乱に服を選んでいると、 「自分も負けないように買わなければ・・・」と思ってしまうケースや、 友達のみんなが使っている商品を見ると、自分も欲しくなってしまうケースが該当します。

 

4.権威(authority)

権威とは、何らかの理由によって相手を「権威がある」と判断すると、その人の発言に対して、無意識に従ってしまうという性質の事です。

具体的に、どういう時に権威を持つかと言えば、

  • 何らかの制服を着ている(白衣、警察官、軍服等)
  • 肩書きを持っている(医者、弁護士、大学教授等)
  • 専門知識、経験を持っている
  • 実績がある(世界選手権優勝、●●大会金賞等)

といった時に、人は権威性を感じ、その人の発言を信用するようになるそうです。

ちなみに、ある実験によれば、警察官の制服(コスプレ)を着た人から、普通の警察官であれば絶対にしないような要求(お金を貸してほしい、自転車を貸して欲しいといった要求)をされた時、その要求に従ってしまう可能性が、劇的に増加したという結果が報告されています。

 

5.好意(liking)

好意とは、自分が好意を寄せている相手( 友人、家族、恋人など)の言動を信じてしまう傾向を指します。実際は、その人のことが好きであることと、言っていることが信用できることは、 全く関係がないはずなのですが、人間はその二つを結び付けてしまう傾向があるようです。

他に好意を持つパターンとして、

  • 接触回数が多い(ザイオンス効果)
  • 美しいとか頭が良いとか、秀でた特徴を持っている(ハロー効果)
  • 自分との共通点が多い(趣味が一緒、出身地が一緒等)

といったパターンが代表的です。

ちなみに、ハロー効果を利用している実際の例としては、「芸能人のCM起用」が挙げられます。例えば、キムタクが香水のCMをしていたとしましょう。すると、キムタクが持っている人気やカッコ良さといったプラスのイメージが、ハロー効果によって香水にも移転し、香水にも「人気がある」「カッコ良い」というイメージが付くようになるのです。

6.希少性(scarcity)

希少性とは、「希少である≒需要がある≒良いものに違いない」という思い込みにより、 希少であるというだけでその商品の価値を高く見積もってしまう事を指します。

尚、希少性には大きく分けて、「量の希少性」と「時間の希少性」の2パターンあります。

たとえば、 実際にも良く使われる例としては、

  • 限定タイムセール残り1時間!!(時間の希少性)
  • 100名様限定販売!!(量の希少性)
  • 金曜日までの限定販売。(時間の希少性)
  • 残りは、わずか10セット。(量の希少性)

といった売り文句が該当します。

まとめ

Kind feiert Einschulung mit Konfetti

「影響力の武器とは何か」という話に始まり、6つの要素について、簡単に解説をしてきました。私たちが普段実感していないだけで、影響力の武器が実は日常に溢れている事がお分かりいただけたかと思います。

こうした社会心理学の教養は、商品を販売する人間にとっては必修科目です。是非この記事をきっかけに、「商品を売る為の心理的な仕掛け」について、勉強して下さればいいなと思います。