In Search of Inner Geometry

何か商品を買うとき、買う商品によって、 購入の思考プロセスは全く異なっています。たとえば、数千万円する住宅の購入と100円ショップでのお皿の購入では、明らかに異なっているはずです。

では、どういう要因が、その思考プロセスを左右するのでしょうか? 今回は、それを説明するためのある理論について、解説していこうと思います。

 

精緻化見込みモデル(ELM)とは・・・

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今回取り上げるのは、精緻化見込みモデル(elaboration likelihood model、ELM)という理論です。正直、日本語で「精緻化見込みモデル」と言われても、さっぱり理解できないですよね汗。きっと、分かりやすい日本語訳がなかったんだと思いますが、まあ気にしないで下さい。

さて。ELMにおいては、商品の購入に当たっての説得方法として、二つの方法があるとされています。それが、中心経路によるアプローチ周辺経路によるアプローチで、それぞれ解説していきますね。

 

・中心経路について

まず、中心経路についてです。 中心経路というのは、その商品に備わっている本質的な価値や、
特徴、特性などによって説得していく方法です。「理性」とか「左脳」に訴えるやり方と言っても、良いと思います。 現代広告の心理技術101では、「論理、論証、深い思考を用いた説得」と紹介されています。

パソコンの販売を例にとってみますと、

  • ディスプレイの大きさ、画質
  • メモリの容量
  • CPUの処理速度
  • 消費電力量
  • 価格

といった観点から、商品の良さをアピールしていくような方法です。

また、統計データを利用して、どの年代の人がどの機種を購入しているとか、 価格の比較データを利用して安さをアピールする、 といった方法が用いられます。

 

・周辺経路について

一方で、周辺経路についてです。

こちらのアプローチは、その商品が持っているイメージや口コミ、 雰囲気や面白さといった、 数値にできないような方法での販売スタイルです。 「感性」とか「右脳」とか「直感」に訴えるやり方と言っても、良いと思います。

現代広告の心理技術101では、「楽しいこと、前向きなイメージ、手がかりなどに結び付けて行う説得」とされています。

「なんとなく、スタイリッシュで格好いい。」
「なんとなく、楽しそうだし、買ってみよう。」

というように、購入に当たって、 「なんとなく」といった曖昧さが残るのも特徴です。

 

どちらの経路プロセスを通るかは、重要度で決まる

Psychology of the human thinking. Abstract conceptual image

商品の販売に当たっては、中心経路と周辺経路によるアプローチの両方を利用して説得するのが効果的です。 どちらの経路にも訴えかけるのがベターであるという事は、言うまでもありません。

しかし、商品によっては、周辺経路によるアプローチだけで購買が決定されるケースと、中心経路によるアプローチも駆使しないと売れない商品があります

冒頭の例に戻り、100円のお皿を購入するケースでは、「なんとなく気に入ったから、このお皿にしよう」といったように、周辺経路による思考だけで購入を決断する事が多いでしょう。一方で、住宅の購入に当たっては、立地条件、嫌悪施設の有無、建設会社の信用度、壁の素材、水回りの配置、ごみ置き場の場所など、あらゆる項目について中心経路の思考もフル活用し、比較検討するはずです。

では、どんな要因によって、中心経路による思考プロセスは必要になってくるのでしょうか??

それは、簡単に言えば「見込み顧客にとっての重要度」 に依ります。多くのケースで、「価格」がシグナルになっている事が多いです。

高い商品を買うのであれば、 それだけのお金を損する可能性があるのですから、 必然的にその人にとっての重要度は上がりますよね。逆に、安い商品であれば、損をするリスクも小さいため、 顧客にとっての重要度は低くなる傾向があります。

 

「価格」以外のポイント

Child magician

価格以外にも、「個人にとっての重要度」を決める要因があります。例えば、その人が商品をどれだけ好きかという事が挙げられます。

たとえば、パソコンなら何でもいいやというタイプの顧客と、 パソコンが大好きで、パーツを組み立てて自作してしまうような顧客では、 どれだけ商品をじっくり調べるかは、全然違うはずですよね。

前者は、周辺経路的なアプローチだけでもいいかもしれませんが、 後者は、スペックなどをこと細かく調べ、 しっかりと中心経路的な情報まで吟味した上でないと、購入しないのです。

 

勘違いしてはいけないこと

Boss threatening employee

ここまでの説明を聞いた方の多くは、「中心経路の方が、周辺経路よりも重要だ」と感じているのではないでしょうか。確かに、価格が高い商品だと中心経路による説得が必要で、安い商品であれば周辺経路による説得で十分なのであれば、中心経路>>周辺経路と考えるのも当然です。

しかし、一点だけ勘違いして欲しくない点があります。それは、「中心経路による説得が必要なケースでも、周辺経路による説得は必要である」ということです。

 

改めて、住宅を購入するケースを考えてみて下さい。

住宅は高額な買い物ですので、中心経路による思考プロセスを経ることは絶対な訳ですが、そもそもとして、どうして住宅の購入を検討する事になったのでしょうか??

朝目が覚めたら、突然、「そうだ、住宅が欲しい。住宅を購入しよう!!」と考え始めた訳ではないですよね。何かのきっかけによって、住宅が欲しいという気持ちが醸成され、その後に中心経路による比較検討を行うようになったはずなのです。

既にお気づきかもしれませんが、その「きっかけ」というのが「周辺経路による思考」なのです。

住宅購入を検討するようになったのは、

  • 近所の人の戸建て住宅を見て、「なんとなく」羨ましくなった
  • ハウスメーカーのCMを見て、「なんとなく」住宅が欲しくなった

といったように、極めて曖昧で直感的で非論理的なきっかけから、「欲しい」という気持ちは生まれるのです。

マーケティングの世界では、「感情でモノを買い、論理で正当化する」といった言葉がありますが、まさに中心経路と周辺経路の関係を言い表しています。

つまり、どんなケースであっても、最初に周辺経路による思考が行われ、その後重要度に応じて中心経路による思考が必要になることもあるのです。周辺経路による思考は、絶対に通過するのです。

私たちがやるべきこと

hands painted  in colorful paints

さて。ここまで長々と、精緻化見込みモデル(ELM)について解説してきました。では、この理論を勉強した上で、私たちはセールスの中でどのように活かせばよいのでしょうか?

それは、「提供しているコンテンツは、周辺経路を刺激するものなのか、中心経路を刺激するものなのか、絶えず確認する」ということです。

物販アフィリエイトでは、記事作成は全作業の中で最重要項目の一つですが、「どんな目的でその記事を書いているのか」を忘れてしまいがちです。サイトコンテンツを増やすだけの記事を、特に深い意味も考えずに作成してしまいがちです。

ですので、記事作成をする場合には、その記事をどんな目的で書くのかという事は、常に意識しなければいけないのです。ELMは、その事を意識する上で、一つの指針となるモデルなのです。